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桐壷をめぐる人々 ~超訳源氏物語「桐壷」~ その三十四②

 

34 光源氏の元服–2

 

時刻は、午後4時になります。

 

源氏の君、ご入場です。


子供であることを示す髪型、角髪(みずら)でのご入場です。ご覧ください、この姿、顔つき、色艶。この美しい童姿はこれで見納めということになります。これから、この姿を大人のものに変えていくわけですが、それはわたくし個人的には、非常に惜しい気も致します。しかしながら、源氏の君の成人した姿というのも、きっと素晴らしいに違いありません。そちらの方にも、期待が高まってまいります。

 さあ、最後の源氏の君の童姿、しっかりと、記憶にとどめておきたいものでございます。

 

大蔵卿が、源氏の君の髪を削ぐ役目をなさいます。後ろから、源氏の君に何か声をかけておられます。…そしていま、刃が髪に当てられます。

 

源氏の君の、清らかな髪が、削がれていきます。帝もこの様子を、じっとご覧になっておられます。源氏の君の母上がこれを見ていたら、と思われているのでしょうか、どこか心苦しそうにも見える、そんなご様子です。

 

髪が結い上げられ、左大臣により冠がかぶせられます。今…無事にかぶせられました。

 

源氏の君、これにて無事に、成人の姿におなり遊ばしました。見事な成人貴族の誕生。実に美しいお姿でございます。

 

これよりいったんご休所にさがられます。そこで源氏の君、大人の装束へのお召し替えをなさいます。そしてその後、この清涼殿の東庭に降りられまして、帝へ感謝の舞、拝舞を捧げられることとなっております。これよりしばらくの間、源氏の君、ご退場です。