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じゃりン子チエ

娘が美術の宿題か何かなのか、紙粘土で猫の(実際は虎のつもりらしかった)オブジェを作って私に見せてくれた。

「え?上手いやん!それアントニオジュニア?」と言ったら、娘はポカンとしていたが、代わりに夫が「それなら赤いバンダナしとかんと!」などと言い出し、ひとしきり盛り上がる。

 

娘はそっちのけで最終、Youtubeでアニメのオープニングを流して一緒に熱唱(ついでにこの時、このアニメの脚本と監督が高畑勲だと知った)。

その後すぐに買い物に行って本屋に寄ったところ、漫画「じゃりン子チエ」の文庫が出たとこらしく平積みになっていて、二人で驚愕した。これがあの、セレンディピティとか、無意識に情報を探すとか、そう言う事なのか?!

 

いやしかし、子供の頃このアニメを見ていた時は、大阪のおじさんはみんな腹巻をしてるんだと思っていた。女の子は自分の事は「うち」、母親の事は「おかあはん」、父親の事は名前を呼び捨てにするんだと思っていた。

長じて、まああの世界はフィクションだろうと思っていたのに、大学に入った春に、先輩から「面白がって大阪行ったらあかん。新世界とか、あんたみたいな女子大生が行ったら危ないで。じゃりんこチエ知ってるか?あそこはあの世界や」と言われて、やっぱりそうなんやと震撼した。

そして未だに、新世界には行ったことがない。今はもう、新世界は危ない所じゃない事は知っているのだけれど。