keisan1

生年月日が素敵に素数

漫画「はじめアルゴリズム」を読んでいる。

https://www.amazon.co.jp/dp/B077G1LLT2/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_gbiIEbBNTKT9P

 

巻末にある、監修者による数学コラムを(読めるところだけ)読んでいたら、「自分の生年月日19820205が素数だと発見した」と書いてあった。

 

なんか分からんけどすごい!と思い、じゃ、私は?!と考えた次の瞬間、「あ、違うわ」とがっかりする。私の誕生日は22日。偶数という時点で、私のような超文系のものにもそれが素数じゃないことが秒で判明。ちぇ。

 

娘も同じく14日でダメなので、頼みの綱の23日生まれの夫に

「ねえ、夫君の生年月日って、素数?」

と振ってみた。急な話に夫は面喰いながらも

「え?ええ~?生年月日~?え、いやあ~どうやろ?考えたこともなかった。え、素数~??」

と言いながら、その手はスマホに伸びて、計算を始めた。

 

「あかん!おれの誕生日は素数ちゃう。53×607×613」

何やらがっかりしている。どうやって初めに53を出したのかなあ、と遠い目をする私。

でもまあ、なんかかっこいいやん?3桁の素数が3つって。すっきりしててきれい。

 

勢いで、素数じゃないことは知りつつ、夫は私と娘の生年月日も計算。結果、

娘 2×1861×5387

私 2×3×7×469541

 

だ、そうだ(丸投げ)。娘、4桁の素数が2つかあ、なんかごついな。それに比べて私のこれよ。一桁3つに6桁って、このアンバランスさ…私らしい。

 

「それなら今日の日付はどうなってる…いや4日やしあかんな」

夫は何やらいろいろ思いついて、次々計算している。そのうち、なんか面白い数字で日付はできないかと言い出して、274の三乗が20570824だとはじいていた。

「つまり、2057年の8月24日生まれの子は、274の三乗なんやね」

と言って夫は笑った。

 

それにしてもこれ、意外と「日付になる数字」ってところが難しくて面白い。千の位は0と1だけ、十の位は0から3までしか使えないのだ。

 

夫はいろいろと計算し、私はそれを「かっこいい」とか「いまいち」とか、「それじゃ日付にならない」とか、好き勝手にジャッジして楽しんだ。

 

計算は全然できないし、数学はアレルゲンかというほど苦手だけど、それが面白いんだろうなとか、数字の持つ美しさのような、情緒的なことはなんとか理解できる。

 

数学、音楽、囲碁に将棋。私は自分の手が届かない世界を舞台にした作品をよく読んでいる。要は、憧れなのだな、と今日は改めて思った。計算する夫は、新しいおもちゃを見つけた子供のように、楽しそうにしていた。その様子を見ながら、やっぱり生年月日が素数だったって気が付いたらうれしいんだろうなあ、としみじみ思ったのだった。