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リスクをとる練習

先日、「決めれば、決まる」でゲームに対する姿勢は人生と同じなのではないか、と書いた。

今回はもう少しここを深堀してみたい。

 

わが家では「カタン」が流行る前は「モノポリー」をよくやっていた。こちらはほぼ、夫の一人勝ち状態であったので、それがやがて「カタン」に移ろっていく原因になったと私は睨んでいる。

 

勝つと決めたら勝てるという事を体験した後、これはモノポリーでも使えるのかと思って、久しぶりにやってみたことがある。

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なんと、勝った。いつも負けてばかりだった夫にダブルスコアの大差をつけて、勝った。

 

何が違ったのだろう、と考えてみた。ざっくりいうと「すべてが違っていた」。

始めのうちは、サイコロの運が戦況を左右するものの、「勝つ」と決めたらそのサイコロの運さえもある程度よくなる(これホント)。

 

そうしてある程度の資産が貯まってくると、あまり働かない資産はさっさと抵当に入れて借金をし、それで働きのいい資産に集中投資してドンドン稼いだ。

 

これまでは、手元に現金がないと不安で、それがために投資を躊躇ったりしていたのだが、稼げると思うと多少の手元不如意は怖くもなんともない。リスクをリスクとも思わず、どんどんやりたいように自分のペースでゲーム展開をしていた。

 

これまでは、リスクをとるのが怖かったんだな、と思った。

 

投資は博打。身代をつぶすもの。

給料の範囲でやりくりせよ。

人から借金はするな。

勤め人が一番。

 

そんな価値観を刷り込まれて育った私は、始めのうちはゲームの中でさえ借金を嫌っていた。何とか余剰の現金を作って、やっと家を一軒建てるのが精いっぱい。とにかく現金第一主義。現金がなくなると怖いから、魅力的な買収話にも乗らない。

 

こんな戦略で、勝てるわけがないのである。これは本当に、一度リスクをとってみて、勝ってみないと分からない事だった。というのも驚くべきことに、以前の私は自分の事を「取るべきリスクは取れる人間だ」と思っていたのだ。本当に、何のリスクも取っていなかったというのに笑ってしまう。

 

ゲーム上でリスクをとれるようになったからと言って、急にそれが実生活に反映されるとは思っていない。さすがに、明日銀行に行って融資を申し込み、それで不動産投資を始めよう、などとは思わないし、そんなことをさせてくれる銀行もないだろう。

 

でも、思うのだ。

失敗しても一円たりとも損をしないゲーム上でさえリスクが取れなくて、どうして実生活でリスクがとれるのか、と。

 

一円の損失も出ないゲーム上でこそ、どしどしリスクをとってみて、そしてどうなるか、成功も失敗も含めてシュミレーションすればいいのだ。

 

きっと初めて借金をするときは怖いし気が重いはずだ。でも、「勝つ」という確固たるゴールを持っていれば乗り越えられるはず。なに、失敗したってゲームなのだ。痛くもかゆくもない。

 

そして、初めての時はあんなにドキドキした借金が、大したことでもなくなってくる。扱う金額が大きくなっても平気になってくる。そしたら、勝ちだ。

 

今の私は、こう書いておきながら、まだゲーム上の段階でしかリスクをとっていない。いうなれば、自動車の教習場内でぐるぐる運転しているようなもの。教習所の中から、塀の向こうの公道を走る車を羨望のまなざしで見ている、そんな感じだ。

 

だから、実生活で大きなお金を動かし、リスクをとって動いている人たちの事を、心から尊敬する。

 

今はまだ練習中。でも、ちかいうちに、きっと。